2024年7月5日 更新
目次と主な記事をお知らせします。
強制不妊手術で国家賠償訴訟 7月3日に、最高裁で判決言い渡し
現状では、「お願いしまあす」が最強か 東郷 進(東京都)
6年ぶりの女性部和歌山大会、地域の民主運動に支えられて大成功
手をつなごう 対面で4ヵ所に要望と懇談
私の困った、私の要求9 会の通帳が作れない 菅野良子(京都府)
全視協全国委員会と社員総会報告 37回東京大会まであと1年
保険証廃止、マイナ保険証移行で、大阪障連協がパブリックコメント
連載 百聞は一触にしかず 手で見る博物館桜井政太郎の思い3 触生命1
全視協 総務局コーナー
7月の記念日
1 原水禁大会代表者募集
2 私の困った、私の要求
3 その他の活動記録
全国と地域の主な予定
(目次、終わり)
東郷 進(東京都)
6月17日、「手をつなごう全ての視覚障害者全国集会」要請行動でマスコミ各社に外食時における視覚障害者の実情を訴えました。応じてくれたのは、「NHKクリエイターセンター」「朝日新聞社ネットワーク報道本部」及び「毎日新聞東京本社」の記者各氏でした。視覚障害者の参加はガイドを含めて12人です。
なぜこのような集まりを持ったのか。過日、視覚障害者の外食時の不便さを直接聞いてもらい改善してもらおうと、手始めに「松屋フーズ」にアクセスしましたが実現できませんでした。そこで今回は、マスコミの方に視覚障害者の外食の困難さを取材してもらい、如何に視覚障害者が困っているかを一般社会に理解してもらう報道をしてほしいと考えた次第です。
松屋は「大タッチパネル」の券売機での先買い方式で、発券から決済まで10数段階の操作があり、一節には最も難解なタッチパネルと言われているからです。視覚障害者には、(紙のメニューはない)決済=発券ができなければ何も始まりません。
すき家」は着席してからタッチパネルで注文します。唯一対面の「吉野家」も一部店舗でタッチパネル注文が始まっています。
ショーケースを見て予め注文を決める → (紙のメニューはない)券売機で決済=発券する(ほぼ「松屋」と同じ) → スタッフに食券を渡す → 席を自分で探す → 食券番号を呼ばれるので取りに行く → ご飯・味噌汁は自分でよそう。この全ての段階で視覚障害者はアウトです。
店内の順番を並ぶ → 店員さんに案内されて席に着く → スマホでの注文を促される → 紙のメニューがあるので商品番号でスマホ注文するか、呼び出しボタンで店員さんを呼ぶ → 店員さんにメニューを説明してもらい、口頭で注文する → 配膳される(ドリンクバーやスープバーも店員さんにお願いできる) → 決算する(店員さんに直接支払うことも出来る)。視覚障害者には大変有り難い、「やよい軒」と対極の注文・決済システムです。
A 盲導犬使用者は入店拒否事例がある。発券・決済以前の問題。
B ドリンクバーが利用できない。
C (はま寿司で)視覚障害者だけでは利用できない。
D (弱視だが)券売機の前に並ぶもののメニューや操作が分からず返ってくる。後ろに列が出来る。店員は調理場にいるだけで対応出来ない。
E 団体で利用することが多いが、対応してくれる店に行くようにする。
F 入店すると、「お願いします」と声を出してやってもらう。必ず「ありがとうございます」と礼を言う。
視覚障害者は最初から、利用できないものと考え、実際に店舗に訪れた経験が少ないのが実情であり、体験例も少なかった。団体で利用するも、一部のできる人に負担が集中する。
現状では人によるサービスしかなく、Fさんのように、「お願いしまあす」と店員に依頼するのが唯一の解決法なのかもしれませんが、Fさんのように声が出せない人はどうするかが、問題と感じました。
6月18日の朝日新聞の社会面の27面に、飲食店のセルフオーダーシステムについての記事が出ていた。視覚障害をもつ方にとって配慮が必要だということが取り上げられていた。また別に、18日夕方のニッポン放送で、視覚障害者の外食のことが、話題として上がっていたそうです。
(この稿、終わり)
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